【実例】コロナ禍での営業の秘訣とは(株式会社クボタ住宅様)

2021年3月25日
事例

今回は、京都府京⽥辺市にある株式会社クボタ住宅 に直接伺い、取材にご協力いただきました。クボタ住宅様の、【コロナ禍の営業活動】における成功の秘訣や今後についてレポートします。(取材は、2度目の緊急事態宣言下、一部リモートで実施しました。)

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写真左から、株式会社クボタ住宅 田尻社長・久保⽥会長・タカラスタンダード株式会社 大阪支社販売課 苑田係長

1. コロナ禍でもリピートが多い秘訣は「お客様第一・地域密着33年」

ー貴社の歴史、特長、こだわりについて教えてください。

田尻氏
設立は1988年です。先代(現会長)の久保田が33年前に創業しまして、私は2代目。久保田が『お客様』と『地域』をすごく大事にやってきたのを、私が引き継ぎました。この地域は住宅が多く、比較的裕福なご家庭も多いという地の利がある。その影響か、お客様もおだやかな方が多くて。親子3代でリピートいただいているお客様や、ご近所同士でご紹介いただくケースもよくあります。

-『お客様』から1番評価されているのはどこだと思いますか?

田尻氏
1番は大工の技術力の高さです。当社はレギュラー大工を抱えており、人気の大工はリピートのお客様から指名をいただくこともあります。
また、“アフターフォローの早さ”についても、よくお客様からお声をいただきます。「クボタ住宅は、呼べばすぐ来てくれる」という安心感はお客様の中にはあるのかなと。
お客様のご自宅にお伺いできれば、「もうすぐ息子が結婚するのよ」なんていう雑談もできる。同居するなら一旦キッチンをリフォームして、2・3年以内にはお風呂かな…みたいな想像もわいてくる。そうやって得られるお客様の情報はすべて私の頭の中にたたき込み、会話にも活かしています。
何かきっかけが得られると、ショールーム見学会の声もかけやすくなる。展示品がもうすぐ出ますよ、とか、いまだと普通で買うより安いですよ、とか。
直接伺うというのは、そういう『お客様から相談してもらいやすい・こちらからも声をかけやすい関係づくり』にも必要だと思っています。

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-『地域』を大事にするとは?

田尻氏
住宅が多い・経済的に余裕がある人が多い・ご家族やご近所でのクチコミも発生しやすい、という地域の特性を大切にし、営業活動にも活かしています。それを形にしたのが、うちがリフォーム・リノベーションをしたお宅をご覧いただける『完成見学会』です。
似たようなおうちが多いんですよ、この辺。だから『完成見学会』にご来場いただけるとすぐ「この築35年・築40年近いおうちが、リフォーム・リノベーションでこんなきれいになるんだ」と伝わりやすい。
大体2日間見学会を行って120~130組、入場者で換算しても200人超ご来場いただける。そして、その会場や見学会の後に「うちも同じことをしたい」っていうのがご家族・ご近所同士で広がっていくような感じです。
他にも、実際に目で見て触れていただけるよう『モデルルーム』を建て見学会をしたり、タカラさんのショールームで行う『ショールーム見学会』を定期的に実施したりしています。

-リフォームやリノベーションは高額なので、やっぱり直接見たいですよね。ちなみに、コロナで特別に何か始められたことはありますか?

田尻氏
コロナだから何か特別なことをするというよりは、コロナ禍のお客様の変化・反応に合わせてアップデートしてきた感じですね。そのなかで、偶然うまくいったことと狙ってうまくいったこと、どちらもありました。

2. 【偶然が生んだ成功事例】コロナ禍だからこそ効いた?外壁塗装のイメージシート

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-偶然うまくいったこととは?

田尻氏
1度目の緊急事態宣言(2020年4月7日~5月25日)の頃、いつもどおり、外壁塗装の現場で写真のように社名入りのイメージシートを使っていたんです。大きな通り沿いで3現場ほど。それを見たお客様から、緊急事態宣言明けに何件か電話でお問い合わせをいただいたんです。

-近所しか出歩かない期間だったからこそ、シートの広告が目に入りやすかったんでしょうか?

田尻氏
お問い合わせいただいたお客様からは、「こんな時期やのにがんばってるね」「こんな時期でもリフォームしていいんだと感じた」というお声もありました。

-ずっと家の中にいるからこそいつも以上に家の中が気になっていたところに、イメージシートが気付きになったのかもしれませんね。

田尻氏
そうですね。実際「ステイホームでずっと家にいるからこそ住環境をより良くしたい」とおっしゃるお客様がほとんどでした。

3. 【必然の成功事例】ショールーム見学会の「タイミング」をチューニング!

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-狙ってうまくいったことについて詳しくお教えいただけますか

田尻氏
コロナの前から実施している『ショールーム見学会』です。うちは、タカラスタンダード枚方ショールームをお借りして、単独で開催・展示会をさせてもらうことがあるんですけども、今回はそのタイミングをコロナの状況に応じて変更したことで、うまく緊急事態宣言明けの需要をカバーできました。

-どのように進められたんでしょうか?

田尻氏
2020年の4~5月(2020年4月7日~5月25日)に緊急事態宣言が出た。僕らも始めの2週間ぐらいは、ちょっと怖かったです。町の通りにも車が全然なかったですし。けれど、緊急事態宣言が明ければ必ずお客様の需要はあると思ったんで、コロナがまだそこまでひどくなる前の2月に実施していた『リノベーション完成見学会」にお越しいただいたお客様にとっていたアンケートをベースに、緊急事態宣言明けにすぐ『ショールーム見学会』の集客をしたのが当たった。

-読みが当たったんですね!

田尻氏
しかも、ちょうどあの頃10万円の給付金があって(早い市区町村では5月中にも給付が始まっていた)、それを足しにしてリフォームを…というのもあったと思います。

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-給付金に後押しされたかたちですか。

田尻氏
そうですね。それとね、緊急事態宣言中はショールームが閉まってしまったんですよ。各社のショールームのほとんどは、一般のお客様を受け付けなくなっていて。でもタカラさんの場合は、事前に連絡さえしておけばショールームの見学ができた。それが、私たちからしたら非常にやりやすかった。
他メーカーのショールームは2ヶ月待ちとかいう状況だったんで、お客様にも「それならタカラさんに行きましょう!」と背中を押しやすかったです。

-やっぱり実物を見る機会はお客様にとっても重要ですよね。

田尻氏
そうですね。特に、タカラの製品の特長は『品質の良さ』なので。品質に対するお客様の評価は本当に高いし、価格も一本筋が通っているから、安心して勧められます。デザイン性は他社よりはちょっと劣ることもありますが(笑)、実際に触って使っていただくと「やっぱりタカラがいいね」っていうお声が圧倒的に多い。

-だからこそ、実物が見られるショールーム見学会は肝になる…と

田尻氏
そうです。クロージングの場にしやすいですからね。あとは、これはコロナ前からなんですが、ショールーム見学会には完全に需要を掘り起こしてあたためた状態のお客様のみ来てもらうようにしているんです。厳選すると人数もしぼられるので、感染対策にもなりました。

-感染に気を遣いながらショールームをご活用いただいていたんですね。

苑田係長
緊急事態宣言が明けてからのショールーム見学会はいつごろでしたっけ?

田尻氏
9月初旬にやりましたよ。確か、苑田さんと「それより後になるとコロナだけでなくインフルエンザもあるから、そこにしよう」とお話しましたよね。

苑田係長
そうでしたね。

田尻氏
コロナで先が見えず試行錯誤しながら営業をしていくなかで、苑田係長のフットワークの良さにも非常に助けられました。

4. 【営業ノウハウ】お客様からもらった“使えるフレーズ”

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-お客様のコロナに対する反応はどうでしたか

田尻氏
うちの場合は、一部高齢のお客様をのぞいては、比較的前向きなお客様が多かったです。営業現場ではマスク着用、少人数、打ち合わせ時間を短くするなどの当たり前のことは徹底しました。もともとNOとおっしゃるお客様にさらに営業をかけるようなこともしないので、特別クレームにつながったこともありませんでした。

-お伺いしたふたつの事例以外に、コロナ禍だったからこそ現場で起きたことはありましたか?

田尻氏
イメージシートのところでも少しお話しましたが、コロナ禍になってからお客様が口をそろえておっしゃっていたのが、「ステイホームになったし、巣ごもりになったし、旅行にも行けないし、前から気になってた洗面台、トイレ、お風呂、直そうかな」ということでした。
このフレーズなら、コロナ禍でも、コロナ禍だからこそ営業トークとして使えるんじゃないかと思い、すぐに全部取り入れました。コロナ時に響いたトークや提案は、実際に別のお客様から伺ったお声を横展開したものです。

-以前からお客様の声を大切にしてこられたからこそ、コロナ禍のお客様の変化もすぐに耳に入ってきたんですね

田尻氏
そうだとうれしいですね。直接お客様の生の声に接するのが1番ですが、それ以外にもアンケートという方法でお客様の声を集められるようにしています。そこからもヒントはたくさんありました。
ショールーム見学会・完成見学会・モデルルームへお越しになった方へ必ずアンケートをとるようにしているんですが、私からしたら、これは命、お金と同じくらいに大切なもの。アンケートの回答を読み解くことでも、お客様の悩みや変化がわかる。2月や9月など、コロナが比較的落ち着いているタイミングで『ショールーム見学会』ができ、アンケートがとれていたことも結果的にすごく良かった。

5. クボタ住宅のアフターコロナ「答えはお客様にある」

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-今後の予定は?

田尻氏
いま2度目の緊急事態宣言中ですが、前回と同様に宣言明けの需要を見据えてタカラスタンダードさんでのショールーム見学会を実施予定です。
また、「リモートワークの環境を整えたい」というお声も結構あったので、まさにいま会長・久保田の肝いりで『リモートワーク用書斎付きモデルルーム見学会』を実施するべく、モデルルームの準備を進めています。

-新しい挑戦も、お客様のお声から生まれたものなんですね。

田尻氏
はい。これからもお客様のお声とフットワークを大事にしながらアップデートしていきます。

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●編集後記

マスクで会話がしづらいなか、私たちからの質問に対して聞き取りやすくていねいにお話してくださった田尻社長。
その姿勢からも、今回伺ったクボタ住宅様のこだわりであり、コロナ禍での成功の秘訣でもある「お客様第一」が垣間見られました。
お客様ひとりひとりのお悩みや将来に寄り添い、その長期的な解決法のひとつとして当社の製品を評価いただき、自信を持ってお客様へご提案いただいている実際の現場で直接伺えたのも、非常に貴重でうれしい体験でした。
パートナーショップ様への取材は、今後定期的に実施していく予定です。次回もぜひご覧ください。
※記載されている内容は取材当時のものであり、一部現状とは異なることがありますが、ご了承ください。

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