住宅の基礎を解説!住宅リフォームマニュアル~[構造] 木造 軸組工法・2×4工法・プレハブ工法~

2021年9月30日
マニュアル

今回より「住宅リフォーム即戦力化マニュアル」は第3巻に入ります。
第3巻では、構造・設備・性能リフォームの基礎知識、図面の見方について解説します。
リフォームの基礎となる建築知識の獲得を目指しましょう。

「木造軸組工法」とは

木材を使用して、土台と梁を組み立てる「木造軸組工法」。
日本の木造住宅では以前から広く普及しており、一般的に「在来工法」といわれることもあります。
また、日本の木造住宅でもっとも多く採用されている工法です。

イラストで見る「木造軸組工法」

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「木造軸組工法」のポイント

接合部は金物で補強する

建物の強度を高めるために、柱と梁、梁と梁、柱と土台・基礎などの構造上主要な接合部において、
構造金物での補強が、建築基準法で定められています。

気密性、断熱性が向上

柱や梁などの線材が基本構造となっているため、気密性や断熱性が課題といわれていました。
しかし最近は断熱材などの性能も向上し、断熱や気密性に配慮した住宅も増えています。

壁の作り方は2種類

壁の仕上げでは、柱や梁を隠した「大壁」と、柱や梁を見せて仕上げる「真壁」の2種類があります。
最近は「大壁」が一般的ですが、和室を「真壁」に仕上げることもあります。

リフォームが容易で、自由度が高い

構造上の制約が少ないので、自由度が高い設計ができ、開口部を広く大きくとることも容易です。
また柱、梁構造なので増改築がしやすいのもメリットです。


「2×4工法」とは

1974年に北米から日本に導入された工法。規格化された材と構造用パネルで構成します。
「2×4(ツーバイフォー)」は通称で、正式には「枠組壁工法」といいます。
性能に優れた6面体構造が特長ですが、デザイン上の自由度が狭まる側面もあります。

イラストで見る「2×4工法」

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「2×4工法」のポイント

合理性を高めた建築を実現

2×4インチを基準に、わずか7種類の材料で構成される2×4工法。
接合面を専用の釘と金物で固定するため、職人の技術によることなく一定レベルの建造物を可能にします。

気密性、断熱性に優れ、耐火性能も高評価

床や壁が合板で囲われたつくりになっており、気密性や断熱性に優れているのが特徴です。
そのため火災時に火が回りにくく、耐火性能の高さにもつながっています。

6面体構造で地震に強い

四辺の壁・床・天井などの6面体の全部で家を支える壁構造です。
建物自体に強度があり、さらに地震や台風など外部の力は面で分散して受けとめることから、耐震性の高さが実証されています。

間取り変更がしにくい

壁と床が一体でつくられ、壁が構造体であるため、リフォームなどの際には壁の撤去や貫通が難しく、
間取りの変更がしにくいというデメリットもあります。


「プレハブ工法」(鉄骨系・木質系)とは

工場で主要部材(骨組・床・壁・天井)を生産、加工し、現場で組み立てる工法です。
規格化して生産されるため、工業化住宅とも言われます。
工場で部材を生産し、現場で組み立てする、ハウスメーカーで主流の工法です。

イラストで見る「プレハブ工法」

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「プレハブ工法」のポイント

品質が安定している

建築材料は工場で生産され、そのほとんどがシステム化されています。
このため職人の技術による影響が少なく、常に一定レベルの品質を保ちやすいといえます。

ハウスメーカーが主流の工法

建築材料を生産する工場が必要なため、プレハブ工法を手がけられるのは主に大手のハウスメーカーです。
各ハウスメーカーでは独自の技術や工程を適用し、差別化が図られています。

工期が短く、建築コストが安い

現場で行われるのは主に組み立て作業なので、工期が比較的短期になること、
また工場で大量生産される材料を使用していることなどから、建築費用も低く抑えることができます。

間取りや仕様の変更には制限がある

規格化を前提とした工業製品のため、間取りやデザインの自由度が劣ります。
またメーカー独自で改良した工法の為、リフォーム時に他社が構造をいじるのは難しい傾向にあります。


いかがでしたか?
リフォーム営業初心者の方、新入社員の方向けにつくられたマニュアルですが、経営者の方やベテラン営業の方にとっても、基本の立ち返りや次世代育成にお役立て頂ける内容かと思います。
これからも連載してまいりますので、ぜひご活用ください!



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