【事例】全国最優秀賞まで導いた創業時のDNA:オーヤシマ株式会社様のホスピタリティ

2023年3月15日
事例

全国各地のパートナーショップを直接訪問し、現場の声をインタビューするシリーズ第6弾。
今回は、「家事らくリフォーム作品コンテスト2022」のキッチン&リビング部門で全国最優秀賞を受賞した和歌山県の【オーヤシマ株式会社(陶彩館)様】にご協力いただきました。※取材は2023/01/19に実施

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写真前段左から:オーヤシマ株式会社 大塚様(一級建築士)、菊田様(営業・リフォームアドバイザー)、湊社長、板矢様(コーディネーター)
写真後段左から:タカラスタンダード株式会社 和歌山支店 下畑支店長、高木様

【1】48年経っても社員に息づく創業時のDNA

-「家事らくリフォーム作品コンテスト2022」のキッチン&リビング部門、全国最優秀賞受賞おめでとうございます。

湊社長

本当にうれしいです。受賞は社員全員のモチベーションを上げつつ気を引き締めることにもつながり、何よりお客様に参考にしていただけるようになるのがありがたいです。口頭や文面で表現してもわかっていただけないこともあるので、弊社の集大成でもある施工実例で受賞し、それをPRすることが一番のツールになります。


-貴社のサイトを拝見していると、他社メーカーの受賞例も多く驚きました。受賞のコツは?

湊社長

特に意識せず、毎回ひたすらお客様に感動してもらえるリノベーションができるよう全力で取り組んでいます。エントリーに際しては、どういった経緯でリフォームしたか、またお困りごとをどう解決し、お客様に喜んでいただけたかという内容を意識して明記するようにしています。


今回の受賞も、あくまで日々のご活動の結果なんですね。まずはそういう営業スタイルに影響を与えている創業時のお話をお聞かせください。

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創業者が若いころにケガをして右足に障害を持ってしまい、膝が曲がらないということで生活面でもいろいろ苦労しました。そんな中、ハンデのある方や高齢者にも安全で簡単に洋式化できる「簡易水洗トイレ」を友人から紹介され、運命を感じたことがきっかけです。そこからトイレだけでなく範囲がどんどん広がり今に至っています。もとは水道屋でしたのでカランひとつの取り換えから大規模リノベーションまで幅広く、ご提案から工事まで一気通貫で対応できる、それが今の弊社の特徴になっています。


-すごく自然な流れですね。

湊社長

創業当時の和歌山はトイレの水洗化が全国最下位。そして、創業者自身が困っていたことでそれが解消できる、だから広めたいというところから始まりました。そういう意味でお客様は自分の家族と一緒ですし、同じように困っている方の助けになりたい、人の役に立ちたいという想いで続いてきた感じですね。


-社員さんに福祉関連の有資格者が多かったり、介護保険を使った住宅リフォームに強かったり(年間100件以上)するのも、そういう創業時の想いと関係が?

湊社長

それはベースにはなっていますね。さらに、弊社は社員の勤続年数も長く、お客様とのお付き合いが長いんです。お客様のライフステージが変われば都度お声をかけてくださることが多いので、どんな方にもどんな場面でも対応できるよう、社員もいろんな資格を取ったり勉強しながらやってきました。お付き合いが長いので、自然と高齢のお客様も増え、そこに福祉住環境コーディネーターなどの知識も役立っています。福祉関連以外にもさまざまな有資格者がいますが、どれもお客様に対しプロとしての提案をするために必要なことですね。資格取得の支援制度を設けたことと、評価制度に盛り込んだことが後押しになっています。


-特に「福祉」にフォーカスして社員教育をしてきたわけではないと。

湊社長

はい、お客様のお困りごとに対して、どんな商品があるのか、どんな支援制度があるのか。そこを面倒がらずに調べる、詳しい先輩に聞くというのが社風として身についてきているように思います。


-そういう社風やマインドはどのようにして社員さんに受け継がれているんでしょうか。

湊社長

儲けること以上に、お客様からの「助かったわ、ありがとう」の言葉が皆のモチベーションになっていると思います。今回の受賞作品を担当した社歴の長い菊田は、お客様に寄り添う姿勢では皆のお手本となっている存在です。


【2】「会社からは叱られるかもしれませんが、私はお客様の利潤を守るのが良い営業の仕事やと思ってる」

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湊社長

営業は、基本的には担当変更はありません。そして、施工時にお客様としっかりコミュニケーションを取り、先々こういうことが必要になってくるだろうという内容も、細かく顧客管理ソフトに情報をためています。
同じお客様がまた来てくださった時に、誰が対応しても、そこの情報を見れば過去のお客様の履歴がすべてわかるように。


-今回は大型案件だったのでチームで動いておられたかと想像できますが、そこでも営業の菊田様が中心に?

湊社長

そうです。基本的に主担当は営業です。

菊田様

はい。日々、私たち営業が現場を最初に見て、ヒアリングし、内容を設計士に伝えます。契約後はコーディネーターが同行、三位一体でお客様に安心していただけるようにしています。


-コーディネーターさんや設計士さんは、受注済のお客様とのやりとりがメインですか。

湊社長

その辺はケース・バイ・ケースですね。

菊田様

契約前にも活躍してもらうこともありますが、営業がその中心になることが多いです。


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-今回、営業として意識したことは?

菊田様

お客様が住みながらのリフォームですが、現場は動いていますので、要所要所ピンポイントで現場の意向をお客様に的確にお伝えし、実際に見ていただきながら、こうしましょうかああしましょうかと丁寧にコミュニケーションすることを心がけました。会社の立場から見ると叱られるかもしれませんが、基本、私はお客様の利潤を守るのが良い営業の仕事やと思ってまして。


-工期がズレるとその分お金もかかる、ということですね。

菊田様

そうですね。だからお客様のところに赴いて何度も打ち合わせしました。契約までにコーディネーターも同行してもらい、インテリアに関するお客様の細かなご希望についても打ち合わせでき、何よりお客様にお時間を取っていただき、ご協力していただけたことが良い結果につながったと思います。


-かなり現場に足を運ばれるんですね。

菊田様

やっぱり現場に答えがあります。スタッフは常に現場を見ていますね。現場を見ておかないとお客様、また社員同士でも認識の共有はできないですね。

-今回はデザイン面でこだわりを持ったお客様でしたが、その理想像を共有しつつ、コストや住みやすさなどの現実面を入念にすり合わせ、総合的に一番いい形に持っていくプロセスを現場でかなり大切にされたんですね。


【3】「お客様のこだわりが強いからこそやりがいが生まれ、やりやすくなることも」

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菊田様

大型案件は結構多いのですがここまでこだわりたい部分を明確におっしゃるお客様は少ないです。情報もかなり集めていらっしゃいました。それを実際にカタチにしていくかどうかはコーディネーターの仕事になりますね。

板矢様

「提案して」と言われるのもコーディネーターとしてはご提案の余地が広くて楽しいのですが、今回のように「こういう商材が好きだから、同じようなのを探してほしい」とはっきりしたニーズをお持ちの場合も、お客様が想像する以上のものをご提案したい!と、やりがいがありました。施工実例の写真を見ていただければよくわかると思うのですが、お客様は家具へもこだわりがおありでしたので、家具とインテリアのバランス、私はこんなのがいいと思うのですがどう思いますかなど、具体的なご質問が多かったですね。


-それに応えるというのも、プロ冥利に尽きますね。

板矢様

ですね(笑)今回の案件に限らず、インテリアのスタイルだけでなく商材もたくさんありすぎて、なかなかお客様だけでは選びにくい。だから、あらかじめ営業や設計士から得た情報やお客様のお好みをもとにして、いつも 3パターン程度ご提案を用意するようにしています。どのお客様も、初めてのリフォームであることがほとんど。ご要望や生活環境、ご自宅の状態も多様なので、毎回私もお客様と一緒に一から考えさせてもらえ、そこで勉強になることが多いです。この受賞作品のお客様も、理想像ははっきりしていても、すべておひとりで決められるわけではなかったので、ご判断を後押しできるような根拠付けやアドバイスができるように考えてご提案しました。今回の場合、お客様がこういう私たちのスタンスに協力的だったからこそ、賞をいただくことができたと感じています。お互い納得いくまでお話ができたのが大きかったですね。


-お客様と一丸となって作られる様子がとても伝わります。ちなみに、「デザイン」にこだわりすぎると「住みやすさ」に影響する、ということはありませんでしたか?

板矢様

『生活感のない空間にしたい』というお客様の要望をできるだけ実現しようと動いていたので、今回は住みやすさの部分は強く意識はしておりませんでしたが、床の段差がないように等は生活しやすさということは普段から提案しているので、最終的にバリアフリーになっていたという感じです。

-常々当たり前のこととしてご提案しておられるんですね。


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-大塚様は、設計士という役割から今回の受賞についてどうお感じですか。

大塚様

いいプランにしようと思ったら、その家の持っているポテンシャルをどれだけ引き出せるかが肝。なので、どこの現場も見られるところはどこまででも見て意見を出す。これはどの現場でもやっていますので、僕らの仕事が変わることはないです。ただ、今回のように住みながらリフォームをすると工期が長くなり、お客様のストレスも非常に高くなる。設計士と営業は構造や工期の話をすることが多いのですが、その中でお客様のそういうところのケアを営業の菊田がすごく意識しているのを感じました。


-お客様とのコミュニケーションが多いということは、得られる情報量も増えると思うのですが、チーム内でそれをどう情報共有しておられましたか。

湊社長

社内には、まだ紙媒体の連絡用紙は残っていますが、スマホを使ったコミュニケーションツールも導入し、全社員が使えるようにしています。リアルタイムな状況、写真なども共有できますので、言葉で伝わりにくい部分も視覚でわかるようにしています。


-お客様と対面でいろいろお伺いになられた結果のメモみたいなものでしょうか。

湊社長

そうですね。お客様と打ち合わせした内容以外にも現場の状況であったり、必要に応じて外注先にも共有しています。


-今回みたいな大きな案件になると、上のアプリやシステム的な情報共有以外には、定期的に社内会議を開いて口頭でもシェアしたりするんでしょうか。

菊田様

定期的にはやりません。基本、担当営業が「現場・お客様」と「設計士・コーディネーター」を要所要所でつないでいます。


-営業さんによって、コーディネーターさんや設計士さんとの動き方は違いますか?

板矢様

やはり経験値によって動きは異なってくることはあるかもしれませんが、経営理念である「お客様の家は自分の家」と思い、取り組んでいるのは全員同じです。

菊田様

現場に何度も足を運び進行状況を確認したり、お客様に細かな対応していれば、「将来困ったらこの人に電話しよう」と覚えてもらえる。常に誠心誠意正直な気持ちで対応していますので、ありがたいことにリピーターになってくださっています。

現場に足を運ぶことは、案件のスムーズな進行のためだけでなく、リピーターにもつながるんですね。


【4】施工事例や公式サイト、タカラスタンダードもフル活用

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-タカラスタンダードのパートナーショップサイトだけでなく、貴社のサイトにも施工事例がたくさん掲載中ですが、制作は?

板矢様

撮影や制作には私たちコーディネーターも協力しますが、基本的にはほぼサイト担当者が作成しています。施工事例はサイトに掲載するだけでなく店舗でも活用(モニターで共有したり、紙でお渡ししたり)する重要な営業ツール。インターネットは本当にいろんな世代の人が見てくれます。Instagramでも施工事例を活用しています。


-リピーターがほとんどと伺っていますが、サイト経由で新規のお問い合わせが入ることもありますか?

板矢様

もちろん。県外からのお問い合わせも結構あります。


-県外というのは、ご両親が和歌山にお住まいでそのご実家のリフォームをお子様がご相談されるようなケースでしょうか?

板矢様

そういったケースもあります。地域性から和歌山の実家を離れ都心部に就職されそのまま居を構える方も多くいらっしゃいます。逆に定年を機に和歌山の実家に戻れられるということでご相談いただくこともあります。


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-貴社は独自のショールームもお持ちですが、タカラスタンダードのショールームもご利用になりますか?

菊田様

はい。貴社のアドバイザーさんは本当によく教育されていて、皆さん、対応が明るい。お客様の気持ちをあたためてくれます。人間の良さが出ていて、安心してショールームにお客様を連れていくことができます。

板矢様

こう言ってほしいなと思うことをパーフェクトに近いレベルでアドバイザーさんがお客様に伝えてくださるので、私自身すごく勉強にもなります。もちろん、他メーカー様のショールームへも伺いますし、それぞれ特徴もあって頼れるスタッフの方ばかりなのですが、タカラ様はそれにプラス、一生懸命に対応されてるというか、あたたかさみたいなものがずばぬけてる感じで。何ていうんですか。失礼な言い方かもしれませんが、売りたいとかではなくて、タカラ愛というか、本当にアドバイザーさんご自身がタカラの商品をすごくいいと思っていることがお客様や私たちに伝わってくるんですよね。

-そう言っていただけて本当にうれしいです。ぜひこれからもご活用ください。


【5】陶彩館DNAを持ちつづけながら広がる未来

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-今後、会社としてどのような未来を描いておられますか。

湊社長

面を広げるような店舗展開より、お客様との関係を深化させたいと弊社は考えています。住む家族構成が変わった、代替わりする。どうしたらいいかまだ決められない、そんな時に真っ先に「陶彩館に相談しよう」と思っていただける会社でありたいです。


-リハビリ特化型デイサービス『Livingリハ陶彩館』を運営されているのも、創業のお話やそういった御社の方針にぴったりですね。

湊社長

いつまでも自分の住まいで暮らしてほしい、というのが私たちの想いです。運動は、ご自宅でできる方が継続できる、と考えています。「住まい暮らしの陶彩館」の想いのひとつですね。


■編集後記

一見おしゃれできらびやかなデザインの受賞作品。ですが、お話を聞けば聞くほど、バリアフリーやリフォーム後のお客様のQOLを向上させる工夫など、陶彩館独自のDNAが息づいた「裏も表も考え抜かれたリフォーム」だとわかり、ジワジワと全国最優秀賞のすごみを感じたインタビューでした。
社長含め、現場担当者の社員様同士も、終始和気あいあいとした雰囲気からは、普段のチームワークの良さが垣間見られ、何度も一同爆笑するシーンも。
創業時の想い、そしてそれを引き継いだ社員のみなさまに導かれるように進化してきた会社の歴史を知り、これからも自然と明るい方向に進まれるのだろう。そんな未来に引き続きタカラスタンダードがご一緒できればと、心から思いました。

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